【皮膚科医監修】美白ケアのために知っておきたい「シミができるメカニズム」

シミができるメカニズムとは
●スキンケア

暖かくなり、紫外線が徐々に強まる春。このタイミングで、シミ対策を本格的にスタートしたいという方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、美白ケアのために知っておきたい「シミができるメカニズム」にフォーカス。シミができる原因やその種類、基本的な予防方法とあわせてご紹介します。

監修:平田雅子先生(私のクリニック目白/皮膚科専門医)

シミができるメカニズムとは?

シミができるメカニズムとは

シミを防ぐために、まずは「なぜシミができるのか」を確認!知っておくと、お手入れや化粧品選びに役立ちますよ。

シミはメラニン色素が沈着した状態

紫外線を浴びると皮膚では「チロシナーゼ」という酵素が活発になり、表皮の下のほうにある色素細胞「メラノサイト」の中で、メラニン色素を生成します。
これは本来、紫外線のダメージから皮膚を守るために、もともと備わっている機能。メラニン色素はターンオーバーによって徐々に皮膚の表面へ押し上げられ、一定の時間が経つと剥がれ落ちていきます。
しかし、何らかの要因でメラニン色素が過剰に生成されると、ターンオーバーのリズムが崩れ、本来剥がれ落ちるメラニン色素がそのまま皮膚に沈着し、シミになってしまいます。

メラニン色素が沈着しやすくなるのはどんなとき?

メラニン色素の沈着に大きく関係するのも、やはり紫外線。長時間浴び続けると皮膚がダメージを受け、再生機能が低下し、メラニン色素を外に排出しにくくなります。
また、喫煙は活性酵素を増やし、メラニンが過剰に産生されやすくなる要因に。過労や不規則な生活によっても、メラニンの排出がスムーズに行われなくなると考えられています。

シミの種類と原因をチェック

シミができるメカニズムとは

シミは、その原因も種類もさまざまです。自分のシミがどれに該当するのかチェックしてみましょう。

日光黒子

日光性黒子や老人性色素斑とも呼ばれており、多くのシミがこれに分類されます。淡い茶色~黒い茶色で、紫外線が主な要因。顔はもちろん、手や背中、腕など、外で露出する部分に多くあらわれます。

雀卵斑

直径数mm以下の小さな茶色の斑点が頬や鼻のまわりに多く広がる、いわゆる「ソバカス」と呼ばれるものです。遺伝性が強く、若年齢の方は特に目立ちやすい傾向に。

肝斑

女性ホルモンが関連していると考えられているシミです。薄い茶色で範囲が広く、頬骨に沿って左右対称にできるのが特徴。30~40代の女性に多く、逆に高齢者になるとほとんどみられない症状です。

炎症後色素沈着

皮膚の炎症がおさまったあとにできやすいシミ。ニキビや肌荒れ、やけどなどが主な原因なので、年齢や部位にかかわらずあらわれます。時間とともに徐々に目立たなくなることも。

脂漏性角化症

皮膚が老化することであらわれるイボ。日光黒子とは異なり、黒色が強く、やや盛り上がっているところが特徴です。シミとは異なりますが、日光黒子を放置することで脂漏性角化症になることがあるので、覚えておくとよいかもしれません。

シミを防ぐための基本ケアは?

シミができるメカニズムとは

シミができるメカニズムやその種類を踏まえ、基本的なお手入れの方法をご紹介。簡単にできることも多いので、ぜひ生活の中に取り入れてみてください。

一年を通して紫外線対策をする

日光黒子をはじめ、肝斑などその他のシミも、紫外線ダメージによって悪化しやすくなります。まずは、UVケアをすることが大切です。
紫外線は、春や夏だけでなく一年中降り注いでいるので、日中は日焼け止めを数時間おきに塗りましょう。日傘や帽子、UVカット機能を備えている衣服も効果的。できるだけ、紫外線が皮膚に到達しないようにしてみてください。

乾燥を防ぐ

皮膚が乾燥しているとバリア機能が低下して、紫外線の影響を受けやすくなります。メラニンの排出をスムーズにするためにも、いつでもうるおいをたたえた状態を目指してみてください。セラミドやヒアルロン酸など、皮膚の保水機能を助けてくれる成分が含まれている化粧品もおすすめです。

ビタミンを豊富に含んだ食事を意識する

美肌のために欠かせないといわれるビタミンは、シミ予防にも効果的。血行を促すビタミンE、メラニン色素の生成をおさえるビタミンCを摂ることを意識してみましょう。

十分な睡眠とストレスのない生活を心がける

睡眠中は皮膚のターンオーバーが活発に行われるので、夜更かしをせず、6~7時間ほど眠るのが理想です。また、ストレスはホルモンバランスの乱れに影響しやすいため、できるだけため込まず、程よく解消できるとベター。難しいことではありますが、意識しておくとよいでしょう。

最後に

シミのケアは、毎日のお手入れをコツコツと継続することが大切。無理なくできることから始めて、日差しに負けないクリアな肌を目指してみませんか?

監修の先生

プロフィール写真

平田雅子先生
私のクリニック目白 院長
医学博士

<略歴>
日本大学医学部卒業
東京医科大学病院皮膚科入局
東京医科大学付属八王子医療センター皮膚科助手と並行して、永山皮膚科にて副院長として臨床の第一線に立ち、毎日 300名以上の患者様の診療にあたる。
2003年(平成15年)医療法人社団育生会 私のクリニック目白開設 理事長兼院長

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
日本医師会産業医
国際中医薬膳師
アラガンボトックスビスタ(R)施注資格認定医

日本美容外科学会
日本美容皮膚科学会

私のクリニック目白
https://www.watashino.jp/

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