化粧品に含まれる「ジメチコン」は肌に安全?効果や注意点を専門家が解説!

ジメチコンとは
●ビューティー&ヘルス

「ジメチコン」は、トリートメントなどのヘアケアをはじめスキンケアやメイクアップなど、多くの化粧品に使われている成分です。しかし中には「ジメチコン」の安全性に疑問を感じて、製品を避ける人もいるようです。

そこで今回は「ジメチコン」の役割や安全性、使用する場合の注意点などに加え、ネット上やSNSなどでささやかれている都市伝説的なことも含めて、ビューティサイエンティストの岡部美代治さんにお聞きしました!

Q1. そもそも「ジメチコン」はどんな成分?

A. 化粧品などに配合される、代表的なシリコーンの一種です

シリコーンの中でも、化粧品や日用品などに使われているポピュラーな成分の「ジメチコン」。ケイ素と酸素がつながったシロキサン結合をもとにしてつくられた人工の化合物です。高い撥水力を持っています。

低分子の「ジメチコン」は、サラサラとしたテクスチャーの液状で、シリコーンオイルと呼ばれるのがこの形状です。高分子化するにつれて粘度も上がり、液状オイル〜水あめ状〜ゴム状へと変化。化学的にも安定していて扱いやすく、使用目的に合わせて形を変えることができる便利な素材です。

揮発性の高いタイプは、ウォータープルーフのマスカラやファンデーションに使われます。本来生物の体内にはない物質なので、生体との反応性もほとんどありません。拒絶反応が起きにくいので化粧品をはじめ医薬品などにも使われています。

Q2. 化粧品における「ジメチコン」の役割は?どんな働きをしている?

A. 肌を保護したり、髪をなめらかにしたりする効果があります

化粧品に幅広く使われる「ジメチコン」は、さまざまな役割を果たしています。

ヘアケア

シャンプーやコンディショナー、トリートメントに配合されています。役割としては、しっとり感を与えて摩擦を防ぎ、さらさらとしたクシ通りのよいなめらかな髪に整えるなど。枝毛コート機能にも優れています。

スキンケア

クリームなどに配合することで、テクスチャーをベタつきにくく、なめらかに!さらっとしたつけ心地のスキンケアには「ジメチコン」などのシリコーンが含まれているものが多くみられます。さらに、肌をコーティングして乾燥や刺激から守る役割もあります。

メイクアップ

撥水性に優れているため、ファンデーションなどのベースメイクアイテムに配合することで、汗に強く、化粧崩れしにくいメイクをすることができます。

ジメチコンとは

3. 毛穴や頭皮に詰まりやすい&蓄積しやすいってホント?

A. 毛穴を詰まらせたり、頭皮を傷めたりということはありません

「ジメチコン」は、さまざまな研究で安全性が認められた成分。化粧品の成分と一緒に使用しているのは、基本的にさらさらとしたテクスチャーや液体です。それが毛穴や頭皮で固まったり、蓄積したりということはないと考えています。また、生体との反応性がないので頭皮を傷めることはありません。

“皮膚呼吸ができない”、“角栓ができやすい”、“肌荒れしやすい”というような話をよく見かけますが、「ジメチコン」の特性からみても起こりにくい現象だといえます。

Q4. 長期間使い続けると、肌や髪に影響はありますか?

A. 実は、悪い効果はなく、肌や髪に良い影響がでてきます

スキンケア製品は、肌を保護する効果があるので、感触もよくなり快適なコンディションが続きます。

ヘアケアでは、シャンプーで洗うと髪に「ジメチコン」が多少残ることがありますが、問題ありません。残った成分で髪のコーティングが続き、さらさらとした指通りになります。摩擦から守り、うるおいを保つことができるので、良い結果が得られるでしょう。トリートメントやヘアオイルなどは、使えば使うほど髪がキレイに整うので、悪い影響はないと思います。

「ジメチコン」をはじめとするシリコーンが、肌や髪に良くないというのは、シリコーン系のヘアケア製品を使っていると髪がコーティングされて、染まりにくくなったという話から広がったものかもしれませんね。

ジメチコンとは

Q5. ノンシリコン製品との違いや、ノンシリコン製品のメリットはありますか?

A. シリコーン配合・ノンシリコン問わず、機能性の高いアイテムが増加。商品の良さを見極めて選びましょう!

ノンシリコンのヘアケア製品を使うと髪のきしみが気になるという方も中にはいるようですが、最近では仕上がりも使い心地もグレードアップした製品が多く登場しています。使用感にも差がありません。シリコーンもオーガニックな原料で開発が進むなど、日々進歩しています。

同じ成分でも全体の処方によって効果が変わってくる場合があるので、「ジメチコン(シリコーン)」だから、ノンシリコンだからという、ひとつの成分にとらわれないことが大切です。機能性、テクスチャー、香り、自分の肌に合うかなど、トータルでみて、好きな商品を選ぶようにしましょう♪

監修の方のご紹介:ビューティサイエンスの庭・岡部美代治さん

ビューティサイエンティスト/化粧品開発コンサルタント
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、化粧品会社にて商品開発やマーケティング等を担当。
数多くのヒット商品を手がける。
2008年4月独立し、現在は「ビューティサイエンスの庭」で美容業界へのコンサルティングを運営。
科学的な視点から解説する美容アドバイスは美容業界でも多くの支持を集めている。
http://www.beautysci.jp/index.html

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