その役割はまるで排水管!? 意外と知らないリンパと美容の関係とは

リンパを流す女性
●ビューティー&ヘルス
マッサージなどでよく耳にするリンパ

聞きなじみはあるものの、実際何なのかよくわからない…。

そんな疑問を解消するべく、今回はビューティサイエンティストの岡部美代治さんにリンパの基礎知識やケアの方法などをお伺いしました!


リンパは巡りを滞らせないための排水管!?

体の構造
人間の身体は約70%が水分(体液)でできており、その水分を絶え間なく循環させて健全な生命活動を維持する機能を担っているのが、血液とリンパです。

血液の主な役割は、身体のすみずみに水分や酸素・栄養素を行き渡らせること。一方のリンパは体内の余分な水分や老廃物、細菌類などを吸収し、浄化することにあります。血管が蛇口だとすると、リンパ管は排水管のようなものですね」と岡部さん。

リンパは、身体のすみずみに張り巡らされているリンパ管を通って、余分な水分や老廃物などを回収

至る所に存在するリンパ節で一旦それらを堰き止めて浄化し、最終的に鎖骨辺りで血管(静脈)と合流します。

よく風邪などで「リンパが腫れる」と言いますが、これはリンパ管を流れてきたウイルスや細菌が体内に広がらないように、リンパ節の免疫機能が発動しているからなのだそうです。

「リンパの流れが滞って体内の循環が悪くなると、不要な水分や老廃物がたまりやすくなり、肌荒れやむくみなどさまざまな不調を引き起こします。これはリンパだけでなく血液も同じ。リンパの流れと血行は連動している部分があるので、両方の巡りをスムーズにすることを意識してみましょう」


適度な運動とバランスのとれた食事が巡りを促す特効薬!

準備運動をする女性
美容にも健康にも大きな影響を与えるリンパ。

では、リンパの巡りを滞らせないためには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか?

「適度な運動がおすすめです。リンパ管には、血管でいう心臓のようなポンプがあるわけではないので、リンパ管内の逆流防止弁が効果的に働くように、 身体を動かして全身の巡りを促すことが欠かせません。運動は、散歩やストレッチなど軽いものでもOKです」

また、より手軽にできるものとしてマッサージも効果的なのだそう。

「リンパは皮膚の表面に近いところにあるので、揉むというより触れるくらいのタッチで行います。スキンケアで化粧水やクリームをなじませるついでに行う感じでも十分です」

岡部さんによると、運動もマッサージも行うタイミングに厳密な決まりはないのだとか。

1日1分でもいいので、とにかく継続することが大切。

自分がゆったりとリラックスでき、気持ちいいと思える方法で習慣化することがポイントのようです。

さらに、あわせて気をつけておきたいのが食生活。

「特にビタミン不足には気をつけましょう。ビタミンは身体の代謝をコントロールするために欠かせない物質ですが、体内で合成することができないため、食事で補う必要があります。一緒に緑黄色野菜や穀物など栄養価が高い食材も偏ることなく取り入れ、バランスのよい食事を摂るようにしましょう」


“気”の流れを意識した三位一体のケアを

ヨガをする女性
身体の巡りを整えるためには、リンパと血液に加えて、“気”の流れを意識することも大切なのだそう。

「東洋医学では気血(きけつ)と呼ばれ、“気”と“血液”は密接な関係にあるのです」と岡部さんは語ります。

“気”というのは目には見えませんが、自律神経などメンタル面に深く関わってくるもの。

ストレスをため込まず、気の流れを安定させることがリンパや血液のすこやかな巡りに繋がり、またその逆も成り立つと言います。

身体の排水管として、体内の老廃物だけでなく、心の老廃物も回収してくれるリンパ。

早速今日からリンパ、血液、気の流れを三位一体を意識しながら効率的に巡りを整えて、日頃の疲れがたまった身体と心を浄化してみてはいかがでしょうか?


監修の方のご紹介:ビューティサイエンスの庭・岡部美代治さん



ビューティサイエンティスト/化粧品開発コンサルタント
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、化粧品会社にて商品開発やマーケティング等を担当。
数多くのヒット商品を手がける。
2008年4月独立し、現在は「ビューティサイエンスの庭」で美容業界へのコンサルティングを運営。
科学的な視点から解説する美容アドバイスは美容業界でも多くの支持を集めている。
http://www.beautysci.jp/index.html


\岡部美代治さん監修の過去記事はこちら/


関連記事一覧