知っておきたい! 医薬部外品のホントのところ

●ビューティー&ヘルス
化粧品を探していると、ときどき目に入る医薬部外品の文字。

効果が高いはず」「強い成分だから、肌に刺激がありそう」など、なんとなくのイメージで選んだり、避けたりしている方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな医薬部外品のホントのところをビューティサイエンティストの岡部美代治さんにお伺いしました。

Q1.そもそも医薬部外品とは?

A.厚生労働省が承認した製品です。

法律(いわゆる薬機法)で定義されているカテゴリでは、医薬品・医薬部外品・化粧品の3つに分けられます。

医薬部外品は、効果が認められた有効成分を配合した上で、その有効性・安全性・安定性などにおいて厚生労働省の承認が必要です。


Q2.化粧品との違いはなんですか?

A.医薬部外品と化粧品とでは、謳える効果が異なります。

それぞれが謳える効果は薬機法で定められています。

化粧品は「皮膚にうるおいを与える」「柔軟性を保つ」など、すこやかな状態を維持することが主体となります。

それに対して医薬部外品は「美白」「ニキビを防ぐ」「シワ改善」といった、より攻め込んだ表現ができます。

薬用化粧品」の表記ができるのも、医薬部外品だけです。


Q3.医薬部外品の効果にはどんなものがありますか?注目の成分は?

A.美白・肌荒れ防止・ニキビ用・シワ改善などがあります。

「紫外線によるシミ・ソバカスを防ぐ」「肌荒れ・ニキビを防ぐ」といった予防効果がメインとなります。

新しい効果や有効成分は承認されるまでに大変なコストがかかるため、なかなか出てこないのが現状ですが、近年、新たに認められたのが「シワ改善」効果

ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)などを中心に、有効成分を配合した製品が次々と登場しています。

また、これまで医薬品に使われていたトラネキサム酸に美白効果が認められ、様々なメーカーが取り入れ始めているのも注目です。


Q4.医薬部外品の効果は、化粧品よりも期待できますか?

A.必ずしも化粧品より効果が高いというわけではありません

厚生労働省が承認した有効成分が安定配合されているので、信頼できるジャンルに入るのは確かです。

しかし、医薬部外品も化粧品も「人体に対する作用が緩和なもの」と定義されており、実はそこに大きな差はありません。

反対に、医薬部外品の承認を取得せず、効果の高い化粧品を作ることは可能です。

そういった製品を選ぶ場合はメーカーの研究体制や商品力など、信頼感が大きなポイントになってきますね。


Q5.肌に負担がかかったり刺激を感じたりすることはありますか?

A.基本的には安全性が認められています。

医薬部外品の承認を得るには、有効性とあわせて安全性や安定性を証明しなければいけません。

そのため使用方法を間違えさえしなければ、肌に負担がかかることはほとんどないです。

また、有効成分は様々な製品に取り入れられてきた実績があるので、基本的には安心して使うことができます。


Q6.どんなときに医薬部外品を使ったらいいですか?

A.明確な目的があるときは医薬部外品を

先ほど述べたように、医薬部外品ではなくても効果の高い製品はあります。

なので「効果が期待できる」と思えるものを自分で探してもいいと思います。

ただ「シミのケアに注力したい」「シワを改善したい」など明確な目的があるときは、様々な基準をクリアしている医薬部外品を使うのが手っ取り早いですね。


Q7.使い方や組み合わせなどの注意点はありますか?

A.使用方法をしっかりと守ることが大切です。

基本的には肌への安全性が認められていますが、メーカーが提唱する使用量・順番・塗布時間などはきちんと守りましょう。

その上で、ほかの化粧品と組み合わせても問題ありません。


Q8.多くの医薬部外品の中から、製品を選ぶポイントは?

A.信頼感を持って使い続けられるものを選びましょう。

例えば同じ美白化粧品でも、多くの種類があります。

価格が高いものがよいということではなく、信頼感や期待を持って使い続けられるものを選ぶのが大切です。

また、心地よいと感じる使用感も大事な要素

料理と一緒で、自分の好みにあっていて満足できるものがベストだと思います。


医薬部外品は、目的にあわせて上手に活用を

医薬部外品は高い基準をクリアしているため、効果や安全性に信頼が持てるのがメリット。

「シミやソバカスを防ぎたい」「気になるシワをケアしたい」など、肌悩みにピンポイントでアプローチしたいときに取り入れてみてください。

上手に活用して、理想の肌印象を目指しましょう!

監修の方のご紹介:ビューティサイエンスの庭・岡部美代治さん



ビューティサイエンティスト/化粧品開発コンサルタント
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、化粧品会社にて商品開発やマーケティング等を担当。
数多くのヒット商品を手がける。
2008年4月独立し、現在は「ビューティサイエンスの庭」で美容業界へのコンサルティングを運営。
科学的な視点から解説する美容アドバイスは美容業界でも多くの支持を集めている。
http://www.beautysci.jp/index.html


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