“香り”がもつ美容効果や作用とは?

香りが持つ美容効果や作用
●ビューティー&ヘルス

ストレスフルな時代でも心のバランスをとるために一役買ってくれるのが、気持ちを穏やかにする「香り」。家で過ごす時間や一人で過ごす空間が増えたことで、フレグランスだけでなく、ボディ&ヘアケアなど、香りを楽しめるアイテムを選ぶ方も多くなっているのではないでしょうか?

そこで今回は、香りを感じるメカニズムをはじめ、美容効果など、ビューティサイエンティストの岡部美代治さんに教えていただきました!

香り(におい)の役割

香りが持つ美容効果や作用

嗅覚は原始的な感覚とされていますが、香り(におい)は、重要な役割を持っています。

まず、危険を察知し、身を守ることが挙げられます。そして、おいしそうなにおいによって生きるための食べ物として、腐ったにおいによって体に害のあるものとして認識することができます。

もう1点が異性を惹きつけるための香りです。動物はフェロモンをかぎ分けることができますが、人間は女性らしいまたは、男性らしいそれぞれの香りで判断しています。

Q1.香りを感じるメカニズムは?

A. 香りは、鼻の奥にあるセンサーで感知し、脳に信号が送られます。

空気中に漂っている香り成分を鼻の奥にある、嗅細胞と呼ばれるセンサーで感知します。その信号が脳に送られることで、「これは○○の香りだ」と記憶や経験を呼び起こし、好き・嫌い、いい香り、癒やされるなどの感情をもたらします。
人の嗅細胞は1000万個、どんな香り成分か判断する受容体は約400種類あると言われています。組み合わせは無限にあり、そのため数10万種類あるといわれる香り物質を嗅ぎ分けることができるのです。

Q2.香水や化粧品などの香りによって、癒やしを感じるのはなぜ?

A. 過去の記憶や香りの体験によって、癒やしや落ち着きを感じます。

香水や化粧品などの香りが、過去の経験や体験によって心地よさや安らぎを得るものであれば、癒やしを感じることができます。好きな香りとして経験があるものは、リラックスできると思います。
ラベンダーなどのように多くの人が癒やしを感じやすいものはありますが、誰もが同じ気持ちを得られるわけではありません。
例えば、ミントなどはツンとくるような刺激系でもあるのですが、濃度によっては落ち着きを感じる方も多いのでは? ローズ・ジャスミンも一般的に好まれる香りです。
これまでは、女性はローズ系、男性はムスク系などが好まれていましたが、最近は性別に関わらず、ニュートラルな香りが選ばれるようになってきています。

Q3.香りによる美容効果は?

A. ダイレクトに効かせて肌にハリを与えたりはしませんが、代謝や血行に影響を与えることはあります。

香りが、ダイレクトに肌にハリを与えたり、血行をよくしたりということはありません。ただ、香りと脳の記憶によって、気持ちが高揚して血行がよくなれば、肌にハリやツヤが出る、表情が明るくなるといった効果につながる可能性はあります。このような状態が長く続くことで代謝が良くなり、健康な肌へ導いてくれるでしょう。化粧品メーカーでも、良い香りで肌の代謝を上げるという研究が進められています。

Q4.30~40代向けのおすすめの香りは?

A. ローズ・ジャスミン・ラベンダーなどのフローラル系の香りへ造詣を深めてみるのがおすすめ!

大人の女性には、ローズ・ジャスミン・ラベンダーなどのフローラル系の香りを中心にトライしてみるのがおすすめです。フローラル系は種類も多く、組み合わせによって複雑ではありますが、さまざまな種類の香りを嗅いで、好みのものを探してみてください。自分の好きな系統から幅を広げていくのも◎。好きな香りを増やすことで、やさしさ・華やかさ・フェミニンさなどを高められ、より魅力アップにつながります。香りの体験とともに、さまざまな経験や知識を得ることで、深みのある人生に!

香りが持つ美容効果や作用

仕事に集中したいときは?

ミント、ハーバル系などの刺激的な香りを用いるとスッキリとした気分で集中力が高まります。自分が好きな香りの中で探したいときには、読書の際に嗅いでみるのがおすすめ。集中して読める香りは、仕事中にもぴったりです。ルームフレグランスやお香などを使って香りの効果を試してみてください。

落ち込んだ気分をアゲたいときは?

特定の香りではなく、好きな香りを少し濃いめにつけるのが◎。普段はリラックスできる香りでも濃くすることで、高揚感を高めることができます。

Q5.香りの活用方法は?

A. リフレッシュしたいときや睡眠前、自分の演出として!

香りを効果的に使う方法として以下をご紹介します。

お風呂上がり

お風呂上がりには、ボディークリームやヘアオイルなど、好きな香りを重ねづけすることで、リラックス効果が高まります。シャワーやお風呂の中で好きな香りのシャンプーや石けんを使うのも◎。スキンケアは、心地よく落ち着ける香りがよいでしょう。

睡眠前

ピローフレグランス、ルームフレグランスなどを使って、自分が好きな香りをベースに楽しんでみてください。リラックスして、快適に眠ることができるはず!

エチケット&自分の演出に

おでかけの際には、メイクと同様に自分を演出するアイテムとして、オーデコロンなどを使ってみては? 1種類だけでなく、シチュエーションやTPOに合わせて色々な香りを試してみるのがおすすめです。

香りに触れる機会を増やして、人生を豊かに!

化粧品をはじめ、さまざまなシーンにおいて香りを効果的に使うことで、気分を高めたり、リラックスしたりと日常を豊かに過ごすことができます。これからの人生を深めるためにも、香りに触れる機会を増やしてみてはいかがでしょうか?

監修の方のご紹介:ビューティサイエンスの庭・岡部美代治さん

ビューティサイエンティスト/化粧品開発コンサルタント
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、化粧品会社にて商品開発やマーケティング等を担当。
数多くのヒット商品を手がける。
2008年4月独立し、現在は「ビューティサイエンスの庭」で美容業界へのコンサルティングを運営。
科学的な視点から解説する美容アドバイスは美容業界でも多くの支持を集めている。
http://www.beautysci.jp/index.html

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