春先はどうして肌荒れしやすい?ケア方法は?専門家に聞いてみました!

ぽかぽかとした暖かい日も増え、春の訪れを感じるように…。穏やかな季節のはじまりに気分も高まります。そんな中、いつも通りのケアをしているのに、肌がカサついたりピリピリしたりする“ゆらぎ肌”に悩まされている方も多くなっているとか。そこで今回は、春のゆらぎ肌の要因やその対策方法をはじめ、最近話題の酒さについて、ビューティサイエンティストの岡部美代治さんにお聞きしました!
Q1.春先から肌がゆらぎやすくなるのはなぜ?
A.冬から春への季節の変わり目は、特に気温や湿度の変化が大きく、肌がダメージを受けやすいからです
春にかかわらず、多くの方が経験しているように、季節の変わり目には肌がゆらぎやすくなります。
特に春先は、気温と湿度が大きく変化することが、ゆらぎやすくなる一つの要因として考えられます。この時季は飛散する花粉やほこりなどが、肌に刺激を与えてダメージもアップ。
また、三寒四温といって寒くなったり暖かくなったりと、気温の変化を繰り返すことも多く、肌表面の温度センサーが対応しきれずにコンディションが不安定になり、その結果“ゆらぎ肌”を引き起こします。ただ、その人の肌環境などによって症状の違いがあります。
Q2.ゆらぎ肌をになりやすい方はどんなタイプですか?注意することは?
A.敏感肌の方や気候の変化にナーバスな方は、ゆらぎ肌を実感しやすいと思います
季節の変わり目による気温などの急激な変化の影響を受けやすいのは、もともと肌が敏感な方、気候の変化や肌の状態を敏感に感じやすい方があげられます。
肌のちょっとしたゴワつきやかゆみなどが気になり、つい触ってしまう方も要注意!応急ケアをした後は、触れないでそっとしておくようにしましょう。気にしすぎると逆効果になってしまいます。
Q3.春先に起こりがちな肌トラブルは?
A.花粉の影響もあり、かゆみや赤みが起こりやすい症状です。
春先は湿度が低く乾燥しやすい気候のため、保湿も不足ぎみ。肌が乾燥することで、ムズムズしたりゴワついたりします。さらに、粘膜に入った花粉やほこりが、鼻や目の周りの肌にも影響を与えて、かゆみや赤みのトラブルを引き起こします。
かゆみや赤みなど、3日くらいを目安に様子をみて炎症が治らないときには、皮膚科へ相談してみてください。症状がひどければ早めの診断を!
Q4.“酒さ”ってどんな症状ですか?
A. 鼻や頬の紅潮や血管が浮いてみえる、吹き出ものができるといった症状があります。
お酒を飲んだときに鼻が紅潮したり、赤ら顔になったりする症状と似ていることから、“酒さ”といわれています。実際の症状は、鼻や頬が赤くなり、血管が拡張してはっきり見えるようになります。場合によっては、吹き出物や炎症も。薄くなったり濃くなったりと、赤みがなかなか治りにくいのが特長です。
対処方法
肌荒れやニキビなどにも見えることから素人判断は難しいので、皮膚科での診断をおすすめします。
酒さと一緒に語られることの多いアゼライン酸は、脂漏性皮膚炎に有効とされ、アメリカでニキビの治療薬として使われる成分。“酒さ”の症状があり、アゼライン酸配合の化粧品を使用する場合は、医師の指示に従うようにしましょう。
Q5.春のゆらぎ肌のケアは?メイクはしてもよいのですか?
A.使い慣れている化粧品で、丁寧なケアを心掛けましょう。
まずはどのステップも使い慣れているものでやってみるのが◎。物足りないようだったら新しいものを試す、合わなければ元に戻す、ということができる状態で進めてみてください。
もし、ムズムズ感があった場合には、きれいに洗い流してしっかり保湿を。
洗顔・クレンジング
クレンジングも洗顔も丁寧に洗い流しましょう。圧をかけないマッサージなら取り入れてもOK。
高い洗浄力やスクラブ入りのものよりも、マイルドな処方のものがおすすめです。
保湿
春先も乾燥しやすいので、冬用の保湿をしばらく続けてみるのが吉。気候をチェックしながら、冬のものから徐々に春夏ものへ変更していくようにしましょう。シートマスクなども使っても◎。
攻めた成分は、少し試してから本格的な使用を。ピリピリ&ムズムズを感じるようであれば中止しましょう。
紫外線ケア
2月ごろになると日差しも気になり始めるので、このあたりからしっかりとUVケアを取り入れてみてください。新商品をもし選ぶのであれば、敏感肌用のものや、昨年使っていて肌トラブルが起こらなかったブランドのアイテムがおすすめ!高SPF値など、ハイスペックなものでもOK。敏感肌用など自分の肌に合っているものを使いましょう。
メイク
メイクもしても大丈夫ですが、クレンジングをやりすぎないように気をつけてください。かゆみが出やすいので、パウダー系よりもリキッドやクリームタイプのものがGOOD。保湿同様メイクも、秋冬で使用しているものを続けて使ってもらうのが一番。汗をかいたり、皮脂が気になったりしてきたら、切り替えていくようにしてみてください。
Q5.そのほか、春のゆらぎ肌を防ぐ方法はありますか?
A.快適な睡眠環境、食事バランス、ストレス管理など総合的なアプローチを!
春は新しい生活が始まったり、職場が変わったりと生活環境が変わることが多く、メンタルの疲れも出やすくなり、肌にも悪影響を与えます。そんなときこそ、気持ちをリラックスできることを取り入れるようにしましょう。
睡眠
お気に入りの枕や自分の体に合ったベッドの硬さなど、睡眠環境を整えることは非常に大切です。間接照明を取り入れるのも◎。
食事
ビタミンなど栄養バランスのとれた食事を意識するようにしましょう。ジャンクフードを食べたとしても、リカバリーを心掛けて。肌に塗るアウターケアと、サプリや食事などでのインナーケアを、組み合わせるのがおすすめです。
その他
散歩や買い物など自分にとっての心地よい気分転換が、リラクゼーションにつながります。この機会にぜひ探してみてください。
監修の方のご紹介:ビューティサイエンスの庭・岡部美代治さん
ビューティサイエンティスト/化粧品開発コンサルタント
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、化粧品会社にて商品開発やマーケティング等を担当。
数多くのヒット商品を手がける。
2008年4月独立し、現在は「ビューティサイエンスの庭」で美容業界へのコンサルティングを運営。
科学的な視点から解説する美容アドバイスは美容業界でも多くの支持を集めている。
http://www.beautysci.jp/index.html