「美腸」こそが“老けにくい”を作るカギ?酪酸菌・乳酸菌・糖化菌の役割や違いを解説

美腸習慣について解説
●ビューティー&ヘルス

私たちの体には1,000種類以上の腸内細菌が棲みついており、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)」の3種類に分類されます。
また、これらの菌が同じ種類ごとにかたまりになって腸の壁に張り付いている状態を、お花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼んでいます。
最近話題の腸活では、一人ひとり異なる腸内フローラのバランスを整えることがポイント。そこで今回は、腸にいい働きをする善玉菌や、すぐに始められる美腸習慣について解説します。

最近よく聞く〇〇菌とは?それぞれの役割や含まれる食品も

善玉菌は消化吸収を助けたり、健康を維持するのに役立ったりと、様々な働きをしてくれます。ここでは、善玉菌の代表格である3種類をご紹介します。

酪酸菌

大腸に生息し、腸内で発酵を通じて酪酸を産生する菌。芽胞(がほう)というカプセルのようなものに菌の1つ1つが包まれているため、胃酸や熱、抗生物質にも強く、生きて腸まで届きやすい特徴があります。
酪酸菌が作り出す酪酸には、悪玉菌の発育を抑制し、腸内を善玉菌が棲みやすい環境にして腸内フローラを整える働きがあります。
また、大腸のバリア機能に必要な粘液の分泌を促したり、腸のぜん動運動のエネルギーになることで便秘の解消に役立ったり、炎症を抑制したりと、様々な働きを持つ注目の善玉菌です。ただし酪酸産生菌を含む食品はぬか漬けくらいしかなく、食べ物からの摂取は難しいと言われています。

乳酸菌

主に小腸に生息し、糖をエサにして乳酸を産生する菌。腸内を酸性環境にすることで悪玉菌の発育を抑制する作用があります。また、酪酸菌などのほかの善玉菌を増殖しやすくします。
口から体内に入った乳酸菌は、胃酸によって多くが死滅してしまうものの、死菌もほかの善玉菌のエサとなることで、腸内バランスの維持に役立ちます。さらに腸のぜん動運動を促して、便秘を予防する作用も。
乳酸菌と混同しやすい善玉菌にビフィズス菌があり、ビフィズス菌は大腸に生息して酢酸と乳酸をつくり、腸内環境を整える整腸作用を持ちます。
乳酸菌はヨーグルト、チーズ、漬物、キムチ、味噌などの食品から摂取可能です。

糖化菌

小腸に生息し、消化酵素のアミラーゼを産生してデンプンを糖に分解し、乳酸菌やビフィズス菌などほかの善玉菌の増殖をサポート。耐久性のある芽胞を持つため、胃酸の影響を受けにくく生きたまま腸に届きやすいという特徴があります。
糖化菌には、納豆菌や酵母、麹菌があり、代表的な食べ物といえば納豆です。そのほか麹菌を使って作られる味噌や醤油、漬物、日本酒、焼酎などにも含まれています。

今日から始められる「美腸習慣」5選

1.朝起きたら水か白湯を飲む

起きてすぐに水または白湯を飲むことで胃から腸に刺激が伝わり、腸のぜん動運動を促します。また体の余分な水分を尿として外に排出してくれる作用もあります。

2.発酵食品を食べる

善玉菌を含む納豆やヨーグルト、ぬか漬け、キムチ、味噌などの発酵食品をとることで腸内環境を整えましょう。

3.食物繊維をしっかりとる

食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなります。そのため、野菜やきのこ類、豆類など食物繊維が豊富な食材とあわせてとることで善玉菌を育て、より効率的に腸内フローラを整えます。

4.糖質を摂り過ぎない

糖質は、摂り過ぎると腸内環境を悪化させる可能性がありますが、過度な糖質制限もよくありません。バランスのとれた食事で適度な量の糖質を摂取しましょう。

5.質のいい睡眠

睡眠の質が良くなかったり睡眠不足になったりすると、自律神経が乱れて腸内フローラの良好なバランスにも影響を与えてしまいます。睡眠のリズムを整え、質のいい睡眠で腸内環境を健やかに整えましょう。

肌も体もキレイは美腸から

美腸習慣を解説

一人ひとり異なる腸内環境は、食事や運動、睡眠などの生活習慣で変化し、そのサイクルは一般的に2週間から3カ月程度とされています。毎日の腸活を継続することで腸内フローラを整え、肌も心もイキイキと輝く「美腸」を手に入れましょう。

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