覚えておきたい「レチノール」の効果と種類。A反応による赤みや皮むけの対策も

ここ数年、さまざまなコスメに配合されている人気成分「レチノール」。今回はその働きや効果をあらためておさらい!気になる副反応やその対処法についても、詳しくご紹介します。
シミ・シワ・たるみへ働きかける「レチノール」
「レチノール」はビタミンAの一種。近年の研究によって、肌の細胞へアプローチし、シワやシミを改善することがわかりました。さらに、うるおいを保持するために欠かせないヒアルロン酸の産生を促してくれるので、たるみやハリ不足もケアできます。
エイジングによる肌の変化だけでなく、紫外線ダメージで引き起こされたシミ・シワ・たるみにも効果的であることも、多くのコスメに採用されるポイントです。
「レチノール」の肌への効果を詳しく解説
肌のターンオーバーの促進
「レチノール」には、表皮のターンオーバーを促進する作用があります。それによって滞っていた余分な角質が剥がれ落ちやすくなり、ゴワつきのないなめらかな肌を目指すことができます。また、メラニン色素の排出もサポートするので、シミを防ぐ効果が期待できます。
肌弾力を保つコラーゲンやエラスチンの生成をサポート
シワやたるみ、ハリ低下の主な要因は、加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少すること。「レチノール」は真皮の働きを活性化して、コラーゲンやエラスチンの生成を促す働きがあるため、ふっくら弾力アップが叶います。
ニキビの予防
ターンオーバーの促進に加えて、皮脂分泌を抑制する働きがあるため、毛穴詰まりが起こりにくく、ニキビができにくい肌状態に整えます。
保湿作用
シワ改善のイメージが強い「レチノール」ですが、その保湿作用も注目されています。肌のうるおいを保つヒアルロン酸の合成を促進することで表皮の水分量を増やし、みずみずしさや柔軟性を育みます。
「レチノール」の効果を引き出すための使い方や注意点
使い始めは週2日を目安に
個人差はありますが、まれに赤みやかぶれ、痛みなどがあらわれることがあります。最初は週2日を目安に使用しましょう。肌が慣れてきたら徐々に日数を増やしていくのがおすすめです。
肌が弱い方は高濃度の「レチノール」製品は避け、低濃度のものから始めてみましょう。
酸化しにくいアイテムを選ぶ
「レチノール」は酸化しやすく、光や空気に対して非常に不安定という難点があるため、密閉性の高い容器に入ったアイテムを選びましょう。「レチノール」の効果をしっかり実感するためには、“フレッシュなまま使い切る”ことが重要です。
UVケアを徹底する
ターンオーバーが促進されると角質が薄くなり、紫外線に対して敏感になります。さらに、「レチノール」は紫外線によって分解されやすい成分であるため、使用中はUVケアを徹底することをお忘れなく!
レチノールの副反応「レチノールA反応」とは?
レチノールを使いはじめると、その直後から赤みやかぶれ、乾燥による皮むけ、ヒリつきなどが現れることがあります。「レチノールA反応」と呼ばれるこの副反応。一見すると肌トラブルを起こしているように見えますが、実は肌にとっては決して悪いものではありません。
これはレチノールの成分(ビタミンA)によって急激に新陳代謝が促されるために起こるもので、ビタミンAを補給することで、ターンオーバーのサイクルがしっかりと整い始めているサイン。肌がレチノールに慣れていくとこの反応も落ち着くため、あくまでも効果が出るまでの通過点と言えるでしょう。
いつまで続くの?
個人差はありますが、一般的には約3週間~1ヶ月、長い場合は2ヶ月ほど続くと言われています。その期間、徐々にその反応も和らいでいくものですが、ひどくなったり長期間続いたりする場合は、できるだけ早く専門医に相談をしましょう。
レチノールA反応を抑えるには?
レチノールA反応が起こる原因のひとつとして、肌が受容できる分量以上に多くのレチノールを塗ってしまっていることが挙げられます。そのため、塗布量を減らして少し様子をみるのも◎
併用する成分や美容施術に注意
レチノールA反応が起きているときは、刺激に対して肌が敏感な状態。併用する化粧品の成分は問題なく一緒に使えるものか?などを確認し、レーザーやピーリングなどの治療もできるだけ控えましょう。もし反応が長引く場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
刺激を感じにくいレチノールも
効果が期待される一方で、人によっては肌がピリピリする「レチノールA反応」や、紫外線・空気・熱によって劣化しやすいといったデメリットもある「レチノール」。
しかし最近では、肌負担が少ないものも多く使われるようになりました。その代表的なものをご紹介します。
フィトレチノール(バクチオール)
「レチノール」と似た働きを持ちながら、抗炎症・抗菌作用も期待できる成分。
有効成分“バクチオール”を含むマメ科の植物・オランダビユ由来の成分なので、肌に刺激を与えにくく、劣化も起こりにくいという特長があります。
グラナクティブレチノイド
アメリカの「Grant Industries」社が開発したこちらの「グラナクティブレチノイド」は、肌が成分を代謝・分解することなく直接作用するため、余分な負担をかけにくいのが特長。安定性に優れているので、よりさまざまなコスメに配合しやすいというメリットもあります。
最後に
今や多くの人が効果を実感している「レチノール」。刺激を感じにくいタイプもあり、より自分の肌に合ったものを選びやすくなったのではないでしょうか。
シミ・シワ・たるみケアコスメをお探しの際は、ぜひパッケージ裏の成分表にも注目してみては?