今のうちからはじめておきたい! 漢方薬で春の花粉症対策

そこで今回は、漢方薬を使った対策についてご紹介します。
症状によっては1、2月頃から取り入れるのが効果的だそう! 漢方薬剤師・森田博美さんに詳しく教えていただきました。
そもそも花粉症とは?

花粉症とは、植物の花粉によって起こるアレルギー反応のこと。
要因として最も多いのが、3~4月にピークを迎えるスギ・ヒノキの花粉です。
くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった症状のほかに、目のかゆみ・涙・充血、肌あれ、倦怠感などが現れる場合もあります。
漢方薬を使った花粉症対策のメリットは?
そこで“体質改善”のために使用されるのが漢方薬です。
西洋薬は、鼻づまりやくしゃみなどそれぞれの症状のみにアプローチするものが多いのに対し、漢方薬は、花粉症を引き起こす根本的な部分に働きかけます。
そのため、1つの薬で鼻だけでなく目や肌、倦怠感などの症状もケアすることができるのです。
また、花粉症対策で漢方薬の服用をはじめた方が、飲み続けていくうちに冷え・むくみといった症状まで気にならなくなるケースも。
これこそが漢方薬を使う一番の醍醐味と言えます。
あなたはどっち? 体質&症状別おすすめ漢方薬

花粉症の漢方薬を選ぶ際にひとつの基準となるのが、あなたの体質と症状。
①②の項目でどちらにチェックが多いかを確認してみましょう。
①
□温かいものを欲する
□顔色が白~青白い
□手足が冷えやすい
□鼻水や痰がサラサラ・透明
□尿の色が透明
□舌の色が白い
□軟便・下痢傾向
②
□冷たいものを欲する
□顔色が赤い
□手足がほてりやすい
□鼻水や痰がネバネバ・黄色
□尿の色が黄色
□舌の色が赤い
□便秘傾向
①にチェックが多く当てはまる方は“寒証”、②に多く当てはまる方は“熱証”の可能性が高いです。
“寒証”におすすめの漢方薬
花粉症の初期症状に多いサラサラ鼻水に効果的で、冷えた鼻を温めて水分の循環を促し、余分なものを排出する作用があります。
こちらの漢方薬は、くしゃみや鼻水の症状が強くなる前の1、2月頃から早めに服用すると良いでしょう。
“熱証”におすすめの漢方薬
粘膜の炎症が進行して鼻づまりが強くなり、菌が繁殖しやすい状態に。
鼻水の色も濃くなります。
そのようなときに処方される漢方薬のひとつが「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」。
花粉症をはじめ、蓄膿症や中耳炎のケアにも効果的です。
花粉症に効果的な漢方薬はどこで手に入るの?
自費になりますが、ご自身の体質にあった効果的な漢方薬を見つけやすい方法です。
次に、一般内科などで「医療用」の漢方薬を処方してもらう方法。
保険適用になるため比較的安価で手に入れることができます。
ただ、医師が漢方薬の専門ではない場合、“体質改善”目的以外のものが出される可能性も。
効果に関しては人それぞれなので、一度お試ししてみるのも良いと思います。
また、花粉症の漢方薬はドラッグストアなどでも販売しています。
1番手軽な方法ではありますが、スタッフの方が漢方薬に詳しいかどうか定かではないため、あらかじめご自身で調べた上で服用するようにしましょう。
服用する際に気をつけたい点は?
自分の体質や症状にあわないものを飲んでしまうと、逆に不調が現れてしまう場合も。
そのため、漢方薬の専門家によるカウンセリングを受け、生活習慣に関しても指導を受けながらの服用を推奨しています。
日本人の多くが悩まされている春の花粉症。
漢方薬での対策は「ただ飲むだけではなく、自分のライフスタイルを見直しながら、根本的な“体質改善”を目指すことが大切」と森田先生は言います。
症状が現れだす春を迎える前に、早めの対策を始めていきましょう!
◎監修の方のご紹介:森田博美さん
漢方薬剤師都内の薬学部卒業後、ダイエット専門の美容クリニックで漢方のカウンセリングと選定に従事。
現在はその経験を活かして商品監修やPRなど多方面で活躍中。
将来は、幼少期に住んでいたアメリカ・ボストンで培った語学力を活かして“Japanese Kampo”を世界に広めることを目標にしている。公式サイト
http://romibalance.com/
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