育毛剤の選び方や使い方は?今日からはじめる育毛ケア~実践編~
毛髪や頭皮の状態に変化を感じたら、すぐにでもはじめたい育毛ケア。しかし「育毛剤って本当に効果があるの?」「副作用は?」など、不安や疑問を抱えている方も多いはず。
そこで今回は、育毛ケアの実践編として、育毛剤の選び方や使い方、注意点などをビューティーサイエンティストの岡部美代治さんにお伺いしてみました!
Q1.そもそも育毛剤とはどんなものでしょうか?
A.育毛剤の役割は、髪が育ちやすい頭皮環境に整えることです
育毛剤とは、発毛剤のように発毛を促すものではなく、頭皮をすこやかに保ち、髪が育ちやすい環境に整えるものです。
頭皮が荒れるのを防ぐ消炎成分や、フケ・かゆみを防ぐ抗菌剤などが主な成分で、これらを“効果が認められた有効成分”として配合しているものが医薬部外品の育毛剤です。使い続けていると「抜け毛が目立たなくなった」「頭皮のフケ・かゆみが治まった」などと感じられるようになり、頭皮環境が整うことで抜け毛予防につながります。
Q2.育毛剤は頭皮に直接塗るタイプのほかに、飲むタイプなどもあるのでしょうか? また、育毛剤のおすすめの選び方を教えていただきたいです。
A.医薬品の飲み薬はありますが、医師の診断が必要です
薬局で購入できる育毛剤は、基本的に頭皮に直接塗るタイプのものです。医薬品の飲み薬は存在しますが、こちらは男性ホルモンを抑える効果があるため、医師の診断を受けて処方してもらいます。薬局では購入できません。
また、育毛剤は医薬部外品のものを選ぶのがおすすめですが、それ以外でも自分にあう育毛剤があればそちらを選んでみても良いでしょう。育毛剤は毎日続けてこそ効果が期待できるので、塗布したときの心地良さ・香りの良さなど、自分自身が「使い続けたい」と思えるアイテムを選ぶことが重要です。
Q3.育毛剤の使用方法は?スカルプシャンプーと併用してもいいでしょうか?
A.スカルプシャンプーとの併用は問題ありません
育毛剤とスカルプシャンプーの併用は問題ありません。どちらも、使用するときは爪を立てず、指の腹を使って頭皮を傷めないようにやさしくマッサージしましょう。育毛剤は、お風呂あがり、髪を乾かしたあとに使用するのが基本です。
Q4.育毛剤はすぐに効果があらわれますか? 効果を感じられなかったらどうすればいいでしょうか?
A.使用して1~2ヶ月程で変化を感じられるようになります
育毛剤を使用して2~3日位で「頭皮のかゆみがなくなった」と感じられれば、育毛剤があっている証拠です。さらに1~2ヶ月程使用して「髪の根もとにハリ・コシが増した」「抜け毛の量が減った」などの変化があらわれれば、育毛剤が効いてきたサイン。そのため、少なくとも1~2ヶ月、もしくは育毛剤を1本使い切るまではケアを続けてみましょう。
効果を感じられなかった場合、特に薄毛が急激に進行しているような場合は、その要因が加齢か、それ以外によるものなのかを病院で調べてもらい、適切な治療を受けるのも一つの方法です。また、薄毛がどうしても気になる場合は、育毛剤でのケアを続けながら、ウィッグなどを使用するのもおすすめ。「効果がなかった」と諦めるのではなく、このようにさまざまな選択肢に目をむけて、ポジティブに育毛ケアに取り組んでいくことが大切です。
Q5.男性向けの育毛剤を女性が使ってもいいでしょうか?
A.男性用を使っても問題ありません
育毛剤であれば、男性用のものを女性が使ってもOKです。しかし、男性用と女性用では香りや感触が異なる場合があるため、自分が心地良いと思えるものを選びましょう。
ちなみに医薬品の発毛剤の場合は、「AGA」と謳っていないものであれば女性が使っても問題ありません。「AGA」とは男性ホルモン型脱毛症のことで、男性が対象になるため、女性が使用しても効果はあまり期待できません。
Q6.育毛剤の使用に注意が必要な人・使用を避けたほうがいい人は? 妊娠中や授乳中でも使えますか?
A.妊娠中や授乳中でも使用はOK。ただしかゆみ等があらわれたらすぐに中止を
病院で治療を受けている方は、育毛剤の使用について事前にかかりつけの医師に相談することをおすすめします。
医薬部外品の育毛剤は医薬品に比べて作用が穏やかなので、妊娠中や授乳中の方が使っても問題はありません。しかし、ホルモンの関係でアルコールなどの成分に過敏になることがあるため、頭皮の状態に注意しながら使用しましょう。
それ以外の方でも、フケやかゆみなどの症状があらわれた場合は頭皮トラブルの可能性があるため、育毛剤の使用をすぐに中止しましょう。
Q7.育毛剤を眉毛に使用してもいいでしょうか?
A.眉毛への効果は期待できません
眉毛と毛髪では、抜けるサイクルも違えば、生える仕組みも異なります。そのため、育毛剤を眉毛に使用しても効果は期待できません。眉毛はあくまでも顔の一部。毛量を増やしたい場合には、フェイシャルマッサージ等で血行を良くしてあげましょう。
まとめ
「育毛ケアで最も重要なことは、できるだけ早いうちから育毛剤を使用し、毎日コツコツと続けることです」と岡部さんは仰います。そのために、まずは自分が心地良いと思える育毛剤を見つけて、日々のヘアケアに“習慣”として組み込んでいきましょう。
「自分にはまだ早い」と思っている方も、「そろそろかな」と感じている方も、育毛ケアのはじめどきは今かもしれません!
監修の方のご紹介:ビューティサイエンスの庭・岡部美代治さん
ビューティサイエンティスト/化粧品開発コンサルタント
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、化粧品会社にて商品開発やマーケティング等を担当。
数多くのヒット商品を手がける。
2008年4月独立し、現在は「ビューティサイエンスの庭」で美容業界へのコンサルティングを運営。
科学的な視点から解説する美容アドバイスは美容業界でも多くの支持を集めている。
http://www.beautysci.jp/index.html