その不調サインは鉄分不足かも?鉄分が女性の体に大切なワケを専門家が解説

鉄分が女性の体に大切なワケを専門家が解説
●ビューティー&ヘルス

「何となく体調が良くない」「疲れやすい」など、理由がはっきりしないその不調の要因は、鉄分不足の可能性も…! そこで今回は、更年期トータルケアインストラクターの永田京子さんに、鉄分が女性の体に欠かせない理由と不足したときの対処方法についてお伺いしました。

鉄分の基礎知識をおさらい

Q.鉄分の主な働きとは?

A.体中に酸素を運ぶ赤血球(ヘモグロビン)を作ることです。ヘモグロビンは、体のすみずみまで酸素を届けながら体内にたまった二酸化炭素を回収し、円滑な巡りをサポートします。

他にも、鉄分には体の調子を整え、肌や髪のうるおいを保つコラーゲンの生成を促すなど、健康と美を守る重要な役割を担っています。

Q.鉄分不足になると健康や美容にどのような影響があるのでしょうか?

鉄分が女性の体に大切なワケを専門家が解説

A.鉄分が不足すると起こるのが「鉄欠乏性貧血」。貧血になると、健康面では息切れ、肩こり、めまい、慢性疲労などの不調が起こりやすくなります。

美容面では、コラーゲンの生成が滞ることで肌が乾燥しやすくなり、シミやシワの要因に。髪のツヤが減る、爪がもろくなる&白っぽくなるなどの影響が見られる場合もあります。

Q.なぜ女性は鉄分が不足しやすいのでしょうか?

A.月経で毎月出血があるためです。厚生労働省が実施した国民健康・栄養調査(令和元年)によると「日本人女性の約7人に1人が貧血である」という結果が出ています。

ただし、貧血は性別年代問わずどんな人にでも起こり得るもの。栄養バランスが偏っている、激しいスポーツをしている、生理以外の出血があるといった方も注意が必要です。

Q.鉄分不足が引き起こす、女性ならではのデメリットはありますか?

鉄分が女性の体に大切なワケを専門家が解説

A.月経前の心身の不調(PMS)と鉄分不足が重なれば、より疲れやすくなり、ふらつき、めまい、口内炎などの不調を引き起こします。

さらに、鉄分は妊娠にも必要不可欠。というのも、鉄分は赤ちゃんが着床する子宮内膜をつくる材料でもあり、胎児の成長にも欠かせない栄養素だからです。妊娠しやすい体をつくるためにも、鉄分を不足させないことが大切です。

鉄分を効率的に補う方法とは?

Q.鉄分不足の時におすすめの食材を教えてください。

鉄分が女性の体に大切なワケを専門家が解説

A.ヘム鉄を多く含んでいる赤みの肉や魚、レバーなどがおすすめです。

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。主な違いは、タンパク質と結合した状態で存在しているかどうか。これによって、体への吸収率が大きく変わります。タンパク質と結合しているヘム鉄は単体で摂っても効率的に鉄分を補うことができるのですが、野菜や海藻類、大豆製品などに多く含まれる非ヘム鉄はそのままでは吸収率が良くないため、食べ方に工夫が必要です。

Q.鉄分を食事で効率的に摂取する方法やタイミングはありますか?

A.非ヘム鉄は、たんぱく質やアミノ酸、ビタミンCと一緒に食べることで吸収率アップが期待できます。豆類や肉類、魚介類、果物などと一緒に、バランスよく食べましょう。

普段の調理の際に鉄の調理器具(鉄鍋など)を使うことも、食事に含まれる鉄分を増やすことができるのでおすすめです。
あわせて、鉄分の吸収を阻害する成分にもご注意を。紅茶・緑茶に多く含まれるタンニンや、玄米などの外皮に含まれるフィチン酸、ゴボウ、キノコ類などの非水溶性食物繊維は、鉄分の吸収を下げることがわかっています。どれもあまり気にしすぎる必要はありませんが、貧血の場合は紅茶や緑茶を食事と一緒に飲まないなどの工夫をしてみてくださいね。

Q.鉄分をサプリメントで摂る場合のおすすめの飲み方やタイミングは?

鉄分が女性の体に大切なワケを専門家が解説

A.食事に含まれる成分によっては鉄分の吸収率が下がることがあるので、食後2時間程度空けてから飲むといいでしょう。

吸収を阻害する紅茶やコーヒーではなく、水で飲むようにしてみてください。
ただし、鉄分の摂りすぎはNG。便秘や吐き気に見舞われるほか、長期間にわたって過剰摂取を続けたり一度に大量摂取したりしてしまうと、中毒などの体調不良に繋がる可能性があります。適量を守って摂ることを心掛けましょう。

鉄分不足を防いで、健やかな心と体を目指そう!

健康面から美容面まで、多岐にわたって私たちの健やかな生命活動を支えてくれている鉄分。食生活を見直してみる、鉄の吸収率を上げる工夫をするなどできるところから取り入れて、心身共に生き生きとした健やかなコンディションをキープしていきましょう!

永田京子さん

永田京子さんプロフィール
NPO法人ちぇぶら代表理事 更年期トータルケアインストラクター
更年期を迎える女性の健康サポートを目的とした「ちぇぶら」の創業者。
1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。述べ4万人以上が受講している。
著書「ふりまわされない!更年期(旬報社)」、「はじめまして更年期(青春出版社)」、「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」 

NPO法人ちぇぶら 
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