プロが教える“産後の抜け毛”対策!その理由や期間も解説

産後の抜け毛対策
●ビューティー&ヘルス

出産を経た女性の体にはさまざまな変化が訪れますが、なかでもよく聞かれるのが「突然抜け毛が増えた」という声。

そこで今回は、産後の抜け毛の要因や対処方法をプロに質問! “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及するとともに、産後ケアのインストラクターとして活動した経験も持つ永田京子さんに教えていただきました。

Q:なぜ出産を経ることで抜け毛が増えるのですか?

産後の抜け毛対策

A:大きな要因は、女性ホルモンの急低下によるものです。

女性ホルモンには、髪の発育を促したり、抜けにくくしたりする働きがあります。妊娠時は赤ちゃんに酸素や栄養を送る“胎盤”という臓器が子宮内に作られて、なんと通常の1,000倍もの女性ホルモンが分泌されます。

しかし、出産を終えると“胎盤”も子宮から排出されるため、女性ホルモンは急低下。その影響で、急激に抜け毛が増えてしまうんです。

Q:出産で減ってしまった髪がもう生えないのではないかと心配です。

産後の抜け毛対策

A:産後の抜け毛は一時的なものです。

抜け毛が進行している渦中にいると「いつまで続くのか…」「このまま髪が生えなかったらどうしよう…」と不安になりますよね。

しかし、女性ホルモンの影響による抜け毛は一時的なもの。時とともにホルモンのバランスが整い、次第におさまっていきます。

ただ、睡眠不足や繰り返す授乳によって、お母さんの体は栄養不足になりがち。ストレスも相まって、抜け毛が長期化する場合もあります。
できる限り家族や周囲の人のサポートを得ながら、積極的に休養とケアに取り組んでみましょう。

Q:一般的に、抜け毛の時期はどれぐらい続くのでしょうか?

産後の抜け毛対策

A:半年~1年以内におさまる場合が多いです。

抜け毛の時期には個人差がありますが、多くの場合「あれ?抜け毛が増えてきたかも?」と気づき始めるのが、産後2〜3ヶ月ごろ。「シャンプーのたびにごっそり抜ける」「お風呂の排水溝の毛の量に驚く」など、ピークを感じるのは産後4〜6ヶ月ごろです。
抜け毛の量も個人差が大きく、なかには「地肌が見えてしまうほどで、髪が生えるまで医療用ウィッグを使用した」という方もいらっしゃいます。

しかし、前述のとおり産後の抜け毛は一時的なもの。多くの場合半年〜1年くらいで落ち着きますよ。

Q:出産後の抜け毛が気になり始めてからできる対策はありますか?

産後の抜け毛対策

A1:睡眠をとる

良質な睡眠はホルモンバランスを整えるので、周囲の人の助けを得て休める時間を作るのがベター。とはいえ、赤ちゃんとの生活の中で、毎日まとまった睡眠をとるのは難しいものです。
疲れを感じていても寝られないときは、ぜひしばらく目を閉じてみてください。それだけでも、脳を休める効果がありますよ。

A2:栄養をとり運動をする

授乳によって大量のエネルギーが消費されますから、しっかり食べているつもりでも栄養が十分でない場合があります。
“食事はバランスよく食べる”が前提ですが、抜け毛対策におすすめの栄養素は、髪をつくるケラチンの元になるタンパク質や、健やかな髪の成長を促す鉄分や亜鉛など。
また、髪への栄養は血液によって運ばれます。ウォーキングなど全身を動かす有酸素運動によって、全身の血流をよくしておくことも大切です。

A3:頭全体のマッサージをする

頭には、髪のトラブルに効果的なツボがたくさんあります。シャンプー時、頭全体をマッサージするように、気持ちいい程度の圧で刺激をしてみましょう。
日ごろからお手入れを習慣化しておくと、血流がいい状態を保てるため髪へも栄養が行き届きやすく、健康な髪の発育につながりますよ。

A4:“気にしない”ことでストレスを軽減

産後の抜け毛対策の一番のポイントは“あまり気にしないこと”です。
鏡を見すぎないようにしましょう。外に出るときや人前に出るときには帽子などで隠せます。あまり考えすぎないことがストレスの軽減、ひいては抜け毛対策につながります

Q:出産する前にしておける予防策はありますか?

産後の抜け毛対策

A1:十分な睡眠・栄養・運動

妊娠中からの抜け毛予防も、産後に行う対策と同じ。つわりがひどく、思いどおりの生活ができないこともあると思いますが、できる範囲で生活習慣を整えていきましょう。

A2:髪を短くしておくと産後のストレス軽減に

妊娠中にヘアスタイルをショートやボブにしておくと「こんなに抜けている…」「また掃除しなくちゃ…」という、抜け毛による視覚的ダメージが軽減されます。シャンプーやドライヤーの時間が短縮されるというメリットも。

Q:再び髪が生え始めましたが、いわゆる“アホ毛”のような短い毛が増え、処理に困っています。

産後の抜け毛対策

A:帽子やターバンを使ったスタイリングで前向きに!

産後の抜け毛で前髪や分け目がスカスカに、新しい毛が生えたと思ったらツンツンの“アホ毛”に。悩みは尽きないものですが、これも時間の経過とともに元に戻ります

どうしても気になる場合は、お気に入りの帽子をかぶって出かけるのはどうでしょう。また、大きめのヘアバンドやターバンを使えば、前髪や分け目を簡単に隠せますし、見た目もおしゃれ!新しいファッションに挑戦するチャンスと切り替えるのも一つの手です。

知識を持っておくことで不安を払拭しましょう

突然の抜け毛には驚きますが、メカニズムを知っていれば不安は軽減されます。繰り返しになりますが、産後の抜け毛は永遠に続くわけではありません! あまり心配しすぎず、リラックスして過ごしていきましょう。

永田京子さん

永田京子さんプロフィール
NPO法人ちぇぶら代表理事 更年期トータルケアインストラクター
更年期を迎える女性の健康サポートを目的とした「ちぇぶら」の創業者。
1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。述べ2万5千人以上が受講している。
著書「はじめまして更年期(青春出版社)」、「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」
NPO法人ちぇぶら
https://www.chebura.com/
YouTube 「ちぇぶらチャンネル」
https://www.youtube.com/c/chebura
Voicy 「40代が美しく健康になるラジオ」
https://voicy.jp/channel/1677

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