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多くの化粧品に含まれる「界面活性剤」とは? 役割や種類について解説

化粧品
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洗顔料やクレンジング・乳液・シャンプーなど、さまざまな化粧品に配合されている界面活性剤。聞いたことはあるけど、どんな成分かよくわからないという方も多いのでは?

今回は、そもそも界面活性剤って何?という疑問から、化粧品における役割・種類まで、詳しく解説します。

界面活性剤ってどんな成分?

ハンドソープ

界面活性剤とは、1つの分子の中に油になじみやすい部分水になじみやすい部分の両方を持っている物質の総称。水と油のように本来混ざり合わないものをくっつける働きをします。

化粧品に配合されている界面活性剤には次のような役割があります。

①洗浄

メイクや皮脂などの油汚れを包み込み、水となじませて洗い流しやすくする「洗浄」の役割。クレンジングや洗顔料などに使用されます。

②乳化

乳液やクリームなどに含まれる水性成分と油性成分を均一になじませて、うまく混ざり合った状態を保つ「乳化」の役割。乳化剤という成分は、実は界面活性剤の一種です。

③分散

メイクアップ製品の着色や紫外線散乱剤としても使用される顔料などの粒子を、液体の中に均一に「分散」させる役割。ファンデーションや日焼け止めなどに使用されます。

このほかにも、化粧品のすべりをよくしたり、スキンケア成分を肌になじみやすくしたりと、界面活性剤を配合するメリットはさまざまです。

界面活性剤は肌への刺激になる?

女性の顔

界面活性剤というと「なんとなく肌に悪そう」「刺激がありそう」というイメージを持っている方もいるかもしれません。

先ほど説明したとおり界面活性剤にはさまざまな役割があり、化粧品には欠かせない成分です。また、化粧品には安全性の高い界面活性剤が使用されています。

しかし、種類によっては肌への刺激になりやすいものもあるため、化粧品を選ぶ際に成分表示をチェックしてみるのもよいでしょう。

ここからは、界面活性剤の種類とそれぞれの特徴について解説します。

陰イオン型

乳化・分散性に優れ、泡立ちがよいのが特徴。

〈主な用途〉石けん・シャンプー・洗顔料など
〈皮膚への刺激〉比較的弱い
〈見分け方〉成分名の最後が「石けん」「塩」「硫酸ナトリウム」

陽イオン型

柔軟・殺菌・帯電防止効果などがあるのが特徴。

〈主な用途〉トリートメント・コンディショナー・制汗剤など
〈皮膚への刺激〉やや強い
〈見分け方〉成分名の最後が「クロリド」「アンモニウム」

両性イオン型

皮膚への刺激性が弱いのが特徴で、ほかの活性剤と組み合わせて補助剤として使用されることも多い。

〈主な用途〉ベビー用シャンプー・柔軟剤など
〈皮膚への刺激〉弱い
〈見分け方〉成分名の最後が「ベタイン」

非イオン型

皮膚への刺激性が弱く、乳化・可溶化力(水に溶けにくい物質が溶けるようになること)に優れているのが特徴。

〈主な用途〉多くの化粧品に使用されている
〈皮膚への刺激〉とても弱い
〈見分け方〉成分名の最後が「グリセリル」「水添ヒマシ油」

界面活性剤フリーの本当の意味は?

化粧品

最近は界面活性剤フリーの化粧品も増えてきていますが、本来の意味をきちんと理解できていますか?

界面活性剤は、先ほどのイオンによる分類のほかにも、天然に存在する「天然界面活性剤」と、化学合成された「合成界面活性剤」に分けられます。

合成界面活性剤はさらに、天然の物資を原料とする「天然系」、石油由来の原料でつくられる「石油系」の2種類があります。

つまり、「天然界面活性剤」と「天然系界面活性剤」は別物ということになります。

このようにたくさんの種類があるため、ひとことで界面活性剤フリーといっても、実はさまざまな意味があるのです。

①界面活性剤フリー

界面活性剤を配合していないという意味。

②石油系界面活性剤フリー

石油由来の原料からつくられた界面活性剤(ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなど)を配合していないという意味。

③合成界面活性剤フリー

化学合成でつくられた界面活性剤を配合していないという意味。ただし、レシチンやサポニンなどの天然界面活性剤は使われている場合もある。

多くの化粧品に含まれる界面活性剤。「肌に悪そうだから」とやみくもに避けるのではなく、化粧品を購入する前にサンプルなどで実際に試して、自分の肌にあっているかどうかを確認することが大切です。

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