もしかして“隠れ貧血”かも?予防方法とおすすめの漢方を専門家が伝授!

悩む女性のイメージ
●ビューティー&ヘルス

「最近何だか疲れやすい」「冷えが気になる」「肌が荒れやすくなった」そんな不調にお悩みの方は、もしかしたら貧血が要因かも!? 実は、疲れや年齢のせいだと思って不調を自覚せずに放置してしまっている“隠れ貧血”の方が多いのだそう。

そこで今回は、漢方薬剤師・森田博美さんに“隠れ貧血”のサインや要因、おすすめの漢方などをお伺いしました!

Q.貧血の要因にはどのようなものがあるのでしょうか

A.極端なダイエットや偏食、夜ふかしといったライフスタイルによるものや、妊娠・授乳、生理など女性の身体の変化に伴うものがあります。

貧血は女性の方が圧倒的に多いです。また、胃腸など消化器系の不調由来の貧血もあり、こちらは40代の女性がもっとも多く、年齢が上がるにつれて男性も増えていきます。

Q.意外と気づいていない貧血のサインなどはあるのでしょうか

A.めまい、立ちくらみ、肌の乾燥、目のかすみ、寝付きが浅い、冷え、不安感、手足のしびれ、爪が割れやすい、髪の毛が抜けやすい、生理不順や無月経などがある方は血虚の可能性があります。

漢方では“血(けつ)”が不足しやすい“血虚(けっきょ)”という体質があります。これは厳密にいうと貧血とは少し異なり、“血”の不足による症状のうちのひとつが貧血症状、と捉えていただけるといいかと思います。
漢方でいう“血”の役割としては、全身へくまなく酸素や栄養素を運ぶことと、身体全体に行き渡りながら老廃物を回収し排出することが挙げられます。そのため、この“血”が不足すると上記のような不調が出たり貧血に繋がったりすることがあります。

Q.血虚になると美容への影響も出てくるのでしょうか

A.あります!血虚は、美容の一番の大敵と言っても過言ではありません。

どんなに保湿しても肌が乾燥する時は、内側からのケア、すなわち“血を増やす”ことで立て直せる場合があります。髪のパサつきや枝毛、爪が弱くなるといった悩みも同様です。通常のスキンケア・ヘアケアといった外側のケアとあわせて、漢方などによる内側のケアも行ってみてください。

Q.血虚を防ぐためにはどのような食生活・生活習慣が必要なのでしょうか

A.質のいい睡眠、タンパク質の摂取、そして胃腸の健康を意識してみてください。

“血”は、寝ている間につくられるので、まずはたっぷりと質のいい睡眠をこころがけましょう。
また、“血”の主成分であるタンパク質を積極的に摂ることも大切。日本人女性は特にタンパク質不足と言われているため、植物性のプロテインを日常的に摂ることもおすすめです。
あとは、胃腸をすこやかに保つことも欠かせません。タンパク質やさまざまな栄養素は、すべて胃腸より吸収されて“血”となります。そのため、十分な栄養素を摂取しても胃腸の調子が悪いとうまく“血”をつくることができなくなります。ファスティングをしたり消化に良い食事を摂ったりして、胃腸をいたわるようにしましょう。

Q.血虚対策におすすめの漢方を教えてください

A.女性の血虚体質には「当帰芍薬散」が使われることがあります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、痩せ型の虚弱体質向けの方に効果的な漢方で、血流を促す働きがあります。
ただし、基本的に漢方は、症状ではなくそれぞれの体質によって処方されます。そのため、しっかりと体質改善したい方は必ず漢方カウンセリングを受けてから摂るようにしてください。

Q.漢方を摂るタイミングや飲み方はありますか?

A.漢方は、基本的に食間、いわゆる空腹時に摂るのが基本です。

水か白湯と一緒にお飲みください。コーヒーやお茶、ジュースなどは相互作用を起こして効果が下がってしまう場合があるため、避けるのが無難です。

「日常生活をすこやかに過ごすのはもちろん、生理や妊娠、出産など、命をつくることに関わっているため、特に女性にとって“血”の巡りは本当に大切です」と森田さんはおっしゃいます。
“血”が不足していると感じる方は、この機会に漢方を取り入れながら生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?

漢方薬剤師・森田博美さん
都内の薬学部卒業後、ダイエット専門の美容クリニックで漢方のカウンセリングと選定に従事。
現在はその経験を活かして商品監修やPRなど多方面で活躍中。将来は、幼少期に住んでいたアメリカ・ボストンで培った語学力を活かして“Japanese Kampo”を世界に広めることを目標にしている。

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