【専門家が解説】肌がくすむのはなぜ?“透明感のある大人肌”を目指すためにできること

ふと鏡を見ると、なんだか顔色が暗く沈んでいる、どこか疲れた感じがする…。そんな“肌のくすみ”は、なぜ起こるのでしょうか?
今回は、くすみのメカニズムや要因、対策方法にフォーカス!“透明感のある肌”を育むために知っておきたいことやおすすめのお手入れ方法を、ビューティサイエンティストの岡部美代治さんにお聞きしました!
Q.まずは知っておきたい!くすみのない“透明感のある肌”とは?
A.光を適度に取り込みながら反射していて、血行のよい肌のことです
肌は、外からの光を適度に取り込みつつ、角層の奥や表面から光を反射していると、明るくいきいきとした“透明感のある肌”に見えます。
受けた光を反射できないと、本来の肌よりも暗い印象に。乾燥したときに肌がくすんで見えるのも、光の取り込みと反射がうまくできていないからです。
また、皮膚の奥では常に血液が流れているので、その色味が肌色に影響することも。
例えば、指の先をぐっと押すと、肌が赤黒く変化します。これは、血液の酸素量が不足して起こる現象。それと同じで、顔に巡っている血液も酸素量が少なくなると黒ずんだ色になり、顔全体がくすみやすくなるのです。
ここからは、具体的に透明感のある肌を手に入れるためにはどうすればよいのか、くすみの種類別に対策方法を伺いました。ぜひお手入れの参考にしてみてください。
Q.年齢を重ねるとターンオーバーが乱れてくすむ?その対策方法とは?
A1.ターンオーバーのサイクルは人それぞれ。保湿をしっかり行いましょう
ターンオーバーの周期は個人差があり、部位によっても大きく異なります。ターンオーバーを早めてメラニンや不要な角質を排出する、という理論もありますが、重要なのはターンオーバーの早さよりも保湿。スキンケアでチャージした水分を蓄えられるのであれば、正常なターンオーバーが機能していると考えられます。
まずは乾燥を防ぎ、光を美しく反射してくれる肌に整えることが大切なので、化粧水だけでなく乳液やクリームも使用して、しっかり保湿してみてください。
A2.角質ケアは洗顔・クレンジングで十分!
角質ケアアイテムは多数ありますが、基本的には洗顔やクレンジングで不要な角質はオフできていると思います。特に昨今の化粧品は機能性が高いので、特別な角質ケアは必須ではありません。
拭き取り化粧水などを使っていて、心地よい、さっぱりする、という感じる方は継続してもまったく問題ありません!ですが、保湿はしっかり行いましょう。
血行不良によるくすみの対策方法、おすすめのスキンケアは?
A1.マッサージを取り入れましょう。“化粧品を丁寧になじませる”のがイチオシ
血中の酸素が不足していたり、健やかに巡っていなかったりすると肌がくすんで見えます。まずは、顔のマッサージで血行を促してみましょう。
マッサージを継続するのが難しい…という方におすすめなのが“化粧品を丁寧になじませる”という方法です!
自然と肌に触れている時間が長くなり、知らず知らずのうちにマッサージしていることに。本格的なマッサージと同等の効果を得られるわけではありませんが、まずは“続ける”ことが大切。ぜひ試してみてください。
A2.巡りに働きかけるスキンケアアイテムも。運動不足&栄養不足はNG!
“巡りに働きかける”と謳っている化粧品は、血行にアプローチする成分を配合している場合があります。また、炭酸ガスで血行を促進するアイテムもあるので、これらを取り入れるのもひとつの手です。
ちなみに、運動不足だったりバランスの悪い食生活をしたりすると、どんなにマッサージやスキンケアを行ってもくすみの解消にはつながりにくいでしょう。適度に身体をほぐして適切な栄養を取り、身体全体の血行を促すことがとても大切です。
Q.紫外線によるくすみと、その対策方法とは?
A1.紫外線ダメージによるくすみは一時的なものです
紫外線を浴びると、そのダメージに対抗するために肌の内部でメラニンが生成され、2日~1週間ほどかけて徐々に増えていわゆる“日焼け”を起こします。
これは、紫外線を浴びる量が少なくなるとだんだん落ち着いてくるので、一時的なものと考えてよいでしょう。
ただし、紫外線によるダメージを受けた肌はターンオーバーの機能が低下します。“紫外線を受けて肌がくすむ” と感じられるのは、新しい角層が生まれにくくなることで透明感に影響を及ぼしていると考えられます。
A2.UV対策をしながら美白ケアを取り入れてみましょう
対策方法は、まずは紫外線を徹底的に防ぐこと。さらに、美白効果を謳っている化粧品に切り替えることです。
UVケアアイテムを選ぶ際は、ストレスなく続けられる、使い心地のよいものがおすすめです。
日常使いなら、SPF30・PA++ほどの数値でOK。2~3時間おきに塗りなおしましょう。肌が敏感になりやすい方は、紫外線吸収剤フリーのものや無添加処方を採用されているものを使ってみてください。
美白化粧品は、医薬部外品で有効成分が配合されているものであれば、一定の効果があると考えてよいでしょう。
成分の種類が気になる方もたくさんいらっしゃると思いますが、まずは炎症対策をスピーディに行い、しっかり保湿して、肌の防御力を保つことが重要です。
もちろん医薬部外品でなくとも、肌に合っていると感じられて、続けやすいものであれば問題ありません。
Q.皮脂によるくすみの対策方法、おすすめのスキンケアは?
A1.朝しっかりクレンジングをして、皮脂対策ファンデやパウダーを活用しましょう
肌の上に皮脂があると光をキレイに反射できずにくすんで見えます。スリガラスに油を塗ると透明に見える現象がありますが、それと同じこと。光の乱反射が消えてしまい、黒ずんだ印象になるのです。
まずは朝のクレンジングで不要な皮脂を落とし、テカリが出にくい化粧下地やファンデで対策を。化粧直しの際にパウダーを使うだけで、皮脂ぐすみはかなり軽減されるはずです。
A2.皮脂ぐすみが起こるのは、肌の水分不足ではありません
肌の水分が足りず、皮脂が過剰に出てしまうという意見もありますが、そもそも皮脂はホルモンが影響して分泌される成分なので、皮膚の水分量そのものとは関係がないと思います。
スキンケアで対策するよりは、ベースメイクで皮脂を抑えて心地よく過ごすことをおすすめします。
自分にとって心地よい化粧品を使った、継続的なケアが大切
化粧品は数多く発売されていますが、とにかく進化が目覚ましく、基本的にはどのアイテムを選んでも一定の効果実感は得られるはず。
実は“自分が信じられる化粧品を使うこと”や“心地よいと感じられること”がとても大切!自信にもつながり、それが表情や肌ツヤにも表れます。
まずはストレスのないお手入れを続けて、くすみのない“透明感のある肌”を目指しましょう!
監修の方のご紹介:ビューティサイエンスの庭・岡部美代治さん
ビューティサイエンティスト/化粧品開発コンサルタント
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、化粧品会社にて商品開発やマーケティング等を担当。
数多くのヒット商品を手がける。
2008年4月独立し、現在は「ビューティサイエンスの庭」で美容業界へのコンサルティングを運営。
科学的な視点から解説する美容アドバイスは美容業界でも多くの支持を集めている。
http://www.beautysci.jp/index.html