更年期、急な発汗やほてりが起こるのはなぜ?対策やベースメイクのコツを専門家が解説

ほてりをケアする方法やベースメイクのコツ
●ビューティー&ヘルス

更年期に現れやすい「ホットフラッシュ」。急に頭や顔が熱くなって紅潮したり、大量の汗が噴き出したり、毎日の生活に支障をきたしてしまう方も多いようです。
そこで今回は、そういった症状をケアする方法やベースメイクのコツについて、更年期トータルケアインストラクターである永田京子さんに教えていただきました。

Q.更年期に入ると、急な発汗やほてりなどが起こる場合があるのはなぜですか?

A.女性ホルモンのエストロゲンが減少し、自律神経が乱れやすくなるためです。

更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少します。すると、自律神経が乱れ、体温調節がうまくできなくなり、「暑くないのに、急に汗をかく」「顔がほてって赤くなる」などの症状が出る場合があります。

Q.このような症状が起こる方は、どのくらいの割合でいらっしゃるのでしょうか

A.全体では24.5%、50~54歳群では最も高い45.2%に。

ホットフラッシュは、実はとても身近なものです。「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(2012)」によると、中高年女性のホットフラッシュ有症率は、全体では24.5%。年齢階級別に見てみると、50~54歳群で最も高い45.2%がしめされています。ただし、症状の出かたや感じ方は人それぞれ。まったく感じない方もいれば、数年間続く方もいるなど、個人差が大きいのも特徴です。

Q.ホットフラッシュが現れたときの対処法や、今後の症状を緩和していく方法はありますか?

A.症状が現れたら冷却&深呼吸。根本的なアプローチとしては運動とストレスケアが大切

ホットフラッシュは、実はとても身近なものです。「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(2012)」によると、中高年女性のホットフラッシュ有症率は、全体では24.5%。年齢階級別に見てみると、50~54歳群で最も高い45.2%がしめされています。ただし、症状の出かたや感じ方は人それぞれ。まったく感じない方もいれば、数年間続く方もいるなど、個人差が大きいのも特徴です。

今すぐできる対処法

首元を冷やす
冷却シートや冷たいタオルをあてて一時的に体温を下げると、落ち着きやすくなります。

深呼吸をする
焦らずにゆっくり深呼吸。ゆったりとした呼吸には自律神経を整える働きがあります。

根本的に緩和する方法

適度な運動
ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、自律神経を安定させます。

アルコールを控える
アルコールを飲むと血管が拡張しやすくなるため、ほてりや発汗が起きやすくなります。

ストレスのケア
ストレスは自律神経の乱れを引き起こします。心を落ち着かせることをしたり、趣味を楽しんだり、自分を満たすことが一番の対処法です。

Q.医療機関は受診したほうがよいのでしょうか?

A.はい。がまんせずに婦人科を受診してください。

ホットフラッシュのような更年期の症状には、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬といった治療法があります。また、似たような症状でも、甲状腺や他の病気が潜んでいることもありますから、「なんだか気になる」「つらい」と思ったら、まずは専門医に診てもらうと安心です。

Q.大量の発汗や、ほてりによる赤みなどが起こりやすい更年期のベースメイクのポイントについて教えてください

A.スキンケア、ベースメイク、お直し、それぞれを見直してみましょう。

まずは土台を健やかに整えるスキンケアを

洗いすぎない
更年期にはホルモンバランスの変化によって、肌のうるおいに必要な皮脂が減少し、バリア機能が低下しやすくなります。過剰な洗顔でさらにうるおい成分が失われないように注意することが大切です。メイク落としは、肌に負担がかかりにくいクレンジングミルクなどがおすすめ。肌のかゆみや赤みがある場合、洗顔はお休みしてお湯で流すだけでもOKです。

つけすぎない
乾燥やシワが気になると、スキンケア製品をたっぷりと使いたくなりますが、実はそれが肌の健康に影響を与える場合があります。肌の自己保湿力を高めるためにも、更年期からはパッケージに記載されている使用量を上限として、適度なケアを心がけましょう。ファンデーションの浮きやヨレ、テカリを抑えることにもつながります。

運動・食事・睡眠
軽い運動で血行を促進し、バランスのよい食事で内側から栄養を届け、しっかり眠って肌の修復タイムを確保する。これが一番のスキンケアになります。

気になる部分を中心にカバーし、フェイスパウダーでふんわり仕上げる

必要なところを薄くカバー
顔がカーッと熱くなって汗が噴き出したら、「メイクどころではない…」なんて日もあるかもしれません。ファンデーションは、顔全体にがっつり広げるよりも、色ムラや赤みが気になる部分にだけ塗布するのがおすすめです。肌の呼吸を妨げず、自然なツヤ感や透明感も引き出せます。

皮脂や汗に強いタイプの商品を使う
発汗によるメイク崩れが気になる方は、ウォータープルーフタイプや皮脂くずれ防止タイプのファンデーションを選ぶと安心です。

ふんわり軽いフェイスパウダーで仕上げ
これだけだと物足りなさを感じる場合は、フェイスパウダーを重ねましょう。テカリやヨレを防ぐこともできます。ブラシでふんわり、Tゾーンや頬の高い部分に軽くのせると◎。

外出先でのお直しに!バッグに入れておくと便利なアイテム

汗をそっとおさえるガーゼハンカチ
肌を傷つけないように汗をそっとおさえるのがポイント。ゴシゴシふくのはNGです。

クールダウン用フェイスミスト(扇子やミニ扇風機)
フェイスミストを顔や首の後ろにひと吹きしましょう。肌の温度が少し下がるだけで、ほてりが落ち着くこともあります。扇子やミニ扇風機で風をあててもOK。

スティックファンデーション
部分的なお直しにあると便利です。

お気に入りの香りのロールオンアロマ
気分転換・自律神経ケアに役立ちます。

水などのお飲み物
汗をかくと想像以上に水分が失われます。こまめに水分補給をしましょう。

適切なケア&ベースメイクで心地よい毎日を

ほてりをケアする方法やベースメイクのコツ

急な発汗やほてりが起こったときに、戸惑ってしまう方は少なくないと思います。適切な対処法を知り、ベースメイクのポイントをおさえることで、更年期も快適な毎日を過ごせるようにしたいですね。

永田京子さん

永田京子さんプロフィール
NPO法人ちぇぶら代表理事 更年期トータルケアインストラクター
更年期を迎える女性の健康サポートを目的とした「ちぇぶら」の創業者。1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。述べ8万人以上が受講している。著書「はじめまして更年期(青春出版社)」、「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」。株式会社ウェルネスシアター代表取締役

NPO法人ちぇぶら
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