プロに聞く!「便秘がひどい…腸活にいい漢方ってありますか?」

今回は漢方の観点から便秘の症状や対策に迫るべく、漢方薬剤師・森田博美さんに詳しく教えていただきました。
便秘って、漢方的にはどういう状態をいうの?

漢方的観点からいうと、便秘には3つの種類があります。
①弛緩型…大腸の蠕動運動が低下することにより生じる便秘。高齢者や妊婦、若い女性に多い。
②直腸型…便意を繰り返し我慢することで、便意が生じなくなる習慣性の便秘。寝たきりの方や運転手に多い。
③痙攣型…大腸が過緊張し、蠕動運動が強くなりすぎて痙攣を起こして便の輸送を阻害する便秘。過敏性腸症候群など。
大人女性は①弛緩型の便秘になっている場合が多々あります。
また、特に“瘀血(おけつ)”体質の方に便秘の症状がよくみられます。
漢方でいう“血(けつ)”は、全身に栄養素を運び、体中の老廃物を回収して排出する役割を担います。
そして“瘀血(おけつ)”は、“血(けつ)”がドロドロになり、流れが滞ってしまっている状態。
つまり、老廃物の回収と排出が滞るため、便秘にもなりやすくなるというわけです。
<セルフチェック!“瘀血(おけつ)”の代表的な症状>
□便秘である
□アザができやすい
□シミや目の下のクマができやすい
□肩こり、腰痛がある
□頭痛が起こりやすい
□冷えやすい
“瘀血(おけつ)”対策でめぐりのよい体に

漢方の視点から便秘対策をするなら、やはり“瘀血(おけつ)”の改善がとても大切。
ストレスや睡眠・運動不足、不規則な食生活といった生活習慣によってめぐりが滞りやすくなるので、まずはすこやかな生活を心がけてみましょう。
<“瘀血(おけつ)”の改善対策>
・食生活を見直す(砂糖や脂のとりすぎに気をつける)
・ストレスの原因を見定め、解消に取り組む
・湯船にしっかり浸かる
・ストレッチなどを行い、日々体を動かすよう心がける
なお、便秘によく使用される漢方としては「防風通聖散」や「桃核承気湯」があります。
しかし、実際はその要因や体質によって出される漢方が全く異なるので、専門家のカウンセリングを受けてからの服用をおすすめします。
大人の腸活にはファスティング=断食がおすすめ

漢方で胃腸は“脾(ひ)”と呼ばれ、この機能を向上させることで体質が上向きになることが多々あります。
食べ物の吸収や巡りに関与する“脾(ひ)”が不調だと、どんなに効果的な漢方もサプリメントもうまく吸収できず、効果を感じにくくなることも…。
ということで、腸活という観点で考えた場合、一旦ファスティング=断食をして“脾(ひ)”のコンディションを整えることもおすすめです。
ファスティングには様々な方法がありますが、日々朝食を抜いて16時間の短期的な断食をするのであれば、比較的取り入れやすいでしょう。
これも体質に合う・合わないがあるので一概に「良い」とは言い切れませんが、持病のない方や健康に不安のない方であれば試してみる価値はあると思います。
自分に合う健康ルーティンを見つけよう
しかし、漢方の世界では“養生”といって、日々の生活習慣や食事をひと工夫することで今ある不調を治すことこそが重要だとされています。
おすすめは何でも“習慣化”すること。
健康になりたいからといって無理をして新しいものを取り入れるよりも、日々のルーティンにできる手軽なアクションを取り入れることが重要なんです。
健康も美容も、一日にしてならず。
ぜひあなただけの、サステナブルでハッピーなライフスタイルを見つけてみてくださいね!
◎監修の方のご紹介:森田博美さん
漢方薬剤師都内の薬学部卒業後、ダイエット専門の美容クリニックで漢方のカウンセリングと選定に従事。
現在はその経験を活かして商品監修やPRなど多方面で活躍中。将来は、幼少期に住んでいたアメリカ・ボストンで培った語学力を活かして“Japanese Kampo”を世界に広めることを目標にしている。
公式サイトhttp://romibalance.com/