のぼせ・ほてり・発汗・・・。夏場の「ホットフラッシュ」対処法について詳しく教えて!|専門家が回答

ただでさえ汗をかきやすい夏場は、特に悩みも顕著に・・・。
そこで今回は、暑さが厳しい季節の「ホットフラッシュ」との付き合い方や対策方法を、更年期トータルケアインストラクターである永田京子さんに伺いました。
\教えてくださったのは/
NPO法人 ちぇぶら代表理事 / 更年期トータルケアインストラクター
更年期を迎える女性の健康サポートを目的とした「ちぇぶら」の創業者。
1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。
述べ25,000人以上が受講している。
Q.そもそも「ホットフラッシュ」とは何ですか?
A.急に顔がほてったり、汗が吹き出たりする症状です
更年期の代表的な症状「ホットフラッシュ」。
急に脈拍が上がったり、胸から頭にかけてカーーーーッっと熱くなったりすることで、顔がほてって汗が吹き出ることをいいます。
困ったことに「ホットフラッシュ」は、時間や場所を選ばず、突然起こります。
汗は目に見えてしまうので、周りから更年期の症状だとわかるのが二重にツライところ…。
緊張した時や強いストレスを感じた時には、より症状が起こりやすくなります。
Q.「ホットフラッシュ」はどうして起こるのですか?
A.女性ホルモンが減少することで自律神経が乱れやすくなるからです
更年期などで女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。
自律神経は血管や体温や発汗などを調整するはたらきを担っているので、暑くなくても「暑い」と脳が勘違いをしてしまい、ほてったり驚くほど汗をかいてしまったり、といった症状が起こってしまうのです。
特に、更年期や出産後、月経前など、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少するときに症状が出やすくなります。
また、意外に思われるかもしれませんが、からだが熱くなる一方で、同時に手足などの末端の冷えに悩むことも多くあります。
これは先述した、自律神経の乱れによって起こるものです。
冷えで血流が悪くなるとからだが血液を巡らせようとするあまり、上半身が余計にほてりやすくなります。
手足など末端の冷えで悩む方は、エアコン対策として1枚上着を持ち歩く、靴下をはく、などの対策をとりましょう。
Q.一般的な「ホットフラッシュ」の対策方法を教えてください
A.まずは焦らず深呼吸! ツボおしもおすすめ
「ホットフラッシュ」が起きたら、まずは焦らず深呼吸を。
大丈夫、通常は2分〜4分程度でおさまります。
自分でできる対策ケアとしては、ツボを押しがおすすめです。
手首のシワの小指側、手をそらすと少しくぼんだ部分が「神門(しんもん)」にあたります。
ここをリラックスして気持ちいいと感じる強さで押してください。
5秒×5セットが目安です。
Q.夏場の「ホットフラッシュ」の対策方法を教えてください
A.水分補給とクールダウンが効果的です
首の横など太い動脈が通っている部位を冷やしたり、顔に風を当てたりすることで、体温調節がしやすくなります。
汗のにおいが気になる場合は、汗ふきシートなどでからだを清潔に保つとスッキリしますよ。
脇の部分に貼る使い捨ての汗取りシートを使えば、衣類への汗ジミ対策にも役立ちます。
そして、夏場に忘れないでほしいのが水分補給。
暑さに加えて「ホットフラッシュ」で汗をかいたら…と思うと想像するだけでも喉が乾きますよね。
実際にからだの水分が出てしまっているので、こまめに水分を摂取することを忘れずに!
Q.「ホットフラッシュ」を事前に防ぐ方法はありますか?
A.女性ホルモンに似たはたらきをする食品をとることや、週に3日以上のウォーキングが効果的です
女性ホルモンに似たはたらきをする食品を摂取することで、自律神経の乱れを整えて「ホットフラッシュ」の予防が期待できます。
たとえば、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンや腸内で作られるエクオール、アマニ油に含まれるリグナンという成分などがそれに当たります。
また、適度な運動、バランスの良い食事、睡眠など生活習慣を見直すことで自律神経が整い「ホットフラッシュ」の軽減につながります。
特に運動についてですが、1日に30分〜45分のウォーキングなどの運動を週に3日以上行うと、血圧が低下して「ホットフラッシュ」がおこる頻度や症状の程度が大きく改善する、ということが英国のリバプール・ジョン・ムーア大学の研究で明らかになっています。
全身の血流をよくすることで冷え性の予防にも役立つので、ぜひ運動を習慣化してみてください。
自分に合ったセルフメンテナンス方法を取り入れて「ホットフラッシュ」と上手に付き合おう!
「更年期にはこれまで感じたことのない心とからだの変化に戸惑いを感じることもあるでしょう。
しかしホルモンの切り替えにからだが慣れてくると、自律神経の不調も気分も落ち着いてきます。
更年期はいつもとは違うということを知り、焦らず、自分に優しく過ごしてください。
更年期には必ず終わりがあります。
自分に合ったセルフメンテナンス方法を取り入れながら、うまく女性ホルモンの波乗りをしていきましょう!」と永田さん。
不安ばかりを募らせず、今の自分を肯定することで、人生をもっと謳歌できるはず。
今回の解説を参考に「ホットフラッシュ」と上手に付き合う方法を見つけてみませんか?
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◎監修の方のご紹介:永田京子さん
NPO法人ちぇぶら代表理事 更年期トータルケアインストラクター
更年期を迎える女性の健康サポートを目的とした「ちぇぶら」の創業者。
1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。
述べ25,000人以上が受講している。
著書「はじめまして更年期(青春出版社)」、「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」
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